福祉職人材確保の一助として
65歳以上の人口の割合が全人口の21%を占めている社会、いわゆる「超高齢社会」を先進国の中で最初に日本が迎えています。生産労働人口が減少し、これまでの「当たり前」では対応できない、また多様な働き方や就労価値変革が求められています。
本福業推進プロジェクトは、公益財団法人トヨタ財団の助成を受けて、福祉現場での副(福)業によるキャリア形成にいち早く着手し、人材不足が叫ばれている福祉職への就労機会の創出に寄与するとともに社会支援基盤の強化の一助となることを目的としています。
福業推進プロジェクト運営事務局
副業解禁 - 副業は多様性を育む
検討のきっかけは地域の人手不足。観光地のレストランで人手不足ゆえに観光客の増加を売上げに繋げられない状況があり、レストラン経営者たちから、「忙しい土日祝日に金庫の方にアルバイトをして欲しい」という話があり、検討を開始しました。また、自分の経験から、職員に多様な仕事を経験させたいという気持ちが後押しをしました。
従来、副業に関しては、本業に差し支える、利益相反の心配がある等から、消極的でしたが、今回の要請は、「土日祝日の昼間でいい」というものでしたので、抵抗なく検討を指示できました。職員の副業に期待することは、一つには地域の人手不足の一助になること、二つには多様な仕事観を身につけてキャリアアップして、「地域活性化の実現」に尽力して欲しいということです。
今後は、有給休暇中の副業の問題が考えられますが、職員の個々の要望を踏まえ、弾力的に対応していきたいと考えています。
就業規則で副業・兼業が禁止されているのですが、政府はどのような考えなのでしょうか?
A「副業・兼業の促進に関するガイドライン(厚労省)」によれば、「裁判例を踏まえれば、原則、副業・兼業を認める方向とすることが適当である。副業・兼業を禁止、一律許可制にしている企業は、副業・兼業が自社での業務に支障をもたらすものかどうかを今一度精査したうえで、そのような事情がなければ、労働時間以外の時間については、労働者の希望に応じて、原則、副業・兼業を認める方向で検討することが求められる」としています。
また、政府の「副業・兼業の場合の労働時間管理の在り方に関する検討会報告書(2019.8)」では、社会全体として副業・兼業に対する機運が高まり、実効性のある労働時間管理を求める声が強くなってきていることを受け、現在の労働時間通算における問題点などの検討が行われました。報告書では制度の見直しを含めた多様な選択肢が提示され、今後、労使の参画の場である労働政策審議会等で積極的な議論が行われることが期待されています。副業・兼業の制度整備に関する議論は益々活性化していく見通しです。
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